PPSって何?

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「PPS」という言葉がさまざまなメディアで騒がれるようになりました。2016年4月の電力自由化が始まるからです。

アルファベットの略語は多くあります。今ひとつ意味を説明しないまま、書かれている文章に出くわすと勘違いするかもしれません。報道番組などでも同様です。「PPS」はどういうものなのか、をあらためて説明します。

そして、今後、一般的な庶民にどのような影響があるのか、考えてみましょう。

PPSとは?

PPSは特定規模電気事業者のことです。と言っても分かりません。

英語の省略なのですが、そんなことはどうでもいいことです。できるだけカンタンに説明してみます。

pointいわゆる地域にある従来の電力会社とは別の電気を売る会社です。なので、PPSは新電力PPSとも呼ばれます。

地域の電力会社とは具体的に東京電力や関西電力、などです。おそらく、各地域に住んでいればテレビのコマーシャルでも見たことがあるでしょう。各家庭の電力メーターをチェックする方が領収書みたいな紙を置いていくこともあります。そこに電力会社の名前が入っているはずです。

「それとは別の会社があるなんて知らなかった」という方もいます。すでに多くのPPSが新規参入してきました。

NTT系列や、ENEOSの方がなじみのあるJXエネルギー、日産自動車、パナソニック、伊藤忠商事グループなどの大手もPPSに名前を並べています。もちろん、限られた地域だけの小さなベンチャー企業に近いものもあります。

PPSが始まったのは2000年から

PPSは最近、生まれた言葉ではありません。2000年から、条件付きで始まっていました。数字を書くのは避けておきます。

3a5c31fb009673bf7af3ede039a2a960_s電気を売る相手が制限されていました。大きな規模の工場が最初の対象です。次に、中小の工場や最近増えてきた大型の総合スーパーマーケット、それに総合病院などへと広がりました。

2016年の電力自由化は個人向けに対象が一気に広がった、と思ってください。すでに企業側ではPPSは話題になっていました。

これまでの地域の電力会社より安価な電気料金は会社にとって魅力的です。「どこのPPSがいいのか?」が合言葉のようになっていました。

企業側は安い電力は嬉しいことですが、安定も重要です。それは2016年の電力自由化でも同じことが言えるでしょう。

新電力PPSの課題

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地域の電力会社との競争に勝てるのか?

地域の電力会社は発電所を持っています。つまり、自分の会社で電気をつくって、工場や大規模なスーパーマーケット、総合病院だけでなく、各家庭にまで自前の電気を売ることができることが強みです。

地域の電力会社は分社化を進めています。例を挙げると、すでに、東京電力は2013年に社内カンパニー制の導入を発表しました。2015年には「カスタマーサービス・カンパニー」を電気の小売事業として立ち上げ、2016年の電力自由化に向けて準備しています。他の電力会社も事業の分割と独立を進める予定です。

つまり、バックが大手企業であっても、地域に根ざした小さな会社でも、同じ土俵に立ちます。

新電力PPSの課題。ひとつは従来の電力会社に勝てるかどうかです。どのような職種においても競争は大切なのが資本主義ですが、電力依存している現状で会社が潰れてしまうのは混乱が起きる可能性がゼロとは言えません。大きな問題です。

 

どうやってPPSは電力を集めるのか?

商品がなければ意味がありません。発電所を持たないPPSが今までより価格の安い電気を消費者に提供するためには工夫が必要です。

大企業が自分の会社がもつ工場で使用するための電力を確保するためだけなら問題はありません。

太陽光、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーを小さな場所に限定して供給する場合も同様です。クリーンエネルギーを利用する流れがあります。支持者も多いでしょう。これから、科学が発展することも期待できます。

PPS。ふたつめの課題は電力をどのようにして集めるか、になります。

単純に考えましょう。発電する設備はありません。余っている電気(余剰電力)を買うしか方法がないでしょう。工場や病院などでは自家発電の設備を持っているところがあります。集めることは企業努力でなんとかなるかもしれません。ただ、それを他のPPSよりも安い価格で提供できるかどうかは難しい点です。

PPSの顧客対象は?

個人の家庭では商売にならないでしょう。もちろん、一軒家は電力自由化の大きな顧客です。企業側としては安い電気料金にするため、人件費などをおさえるしかありません。

できるだけムダな経費は出さずに安い価格にする方向です。格安航空会社(LCC)と似ているかもしれません。

03c30f905eae7203029a80636ffc5ffa_s顧客はマンションなどが対象となるでしょう。日本は小さな島国です。

高層マンションはもちろん、低層マンションやアパートは取り合いになる可能性があります。

不動産屋の物件情報が変わります。このマンションは電気料金が格安のPPSです、という文章がひとつの売りになっていく…不動産業さえも電力自由化の波を受けると予想されます。

PPSのサービスは?

フタを開けてみないと分かりません。初期費用が無料だとか、各企業の得意分野を混ぜた、さまざまなセット販売が出てくるでしょう。

格安は当たり前で、アイデア勝負になります。広告はインターネットだけに絞った戦略も考えられる範囲です。あとは想像もつきません。

銀行を例に挙げてみます。地方銀行では面白いサービスで人気の高いところがあったり、地域の会社に信用されているものが全国にあるのと似ているかもしれません。そこでネット銀行系が登場しました。実店舗を持っていない銀行です。そこへ全国に支店がある大手も参入してきました。

コンビニエンスストアに設置されたATMなどを利用したり、各種サービスも充実しています。PPSのサービスも同じような流れになるかもしれません。

PPS新電力の競争は激化必死!

競争社会になることは、どこのPPSも承知の上でしょう。

利用する側として、長い目でPPSを見たほうがお得です。2016年の電力自由化は、その幕開けになります。