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2016年4月の電力自由化に伴い、北海道エリアでは、すでに600社を超える新規参入企業が新電力としての届け出を出しています。また、その内の70社以上はすでに販売の準備を進めており、自由化開始と同時に一般家庭への電力販売を行うものと見られています。

そんな北海道エリアの一般家庭向け電力を現在、独占状態で担っているのが北海道電力です。もちろん、自由化後も電力の販売を続ける北海道電力ですが、どのように変わって行くのでしょう?

ここでは北海道電力の現状や、自由化後に選択するメリット、デメリットについてお話しようと思います。

北海道電力の現状~ここ数年は失速気味?

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北海道エリアで長年にわたって独占的に一般家庭への電力を供給し続けてきた北海道電力ですが、この数年は失速気味となっています。

同社ではこの5年間で2回の電気料金の値上げを行っています。これに伴って、企業のみでなく一般家庭でも積極的に節電に取り組んだことから、2014年の電力販売量は、前年比5%減となり、国内の10社の電力会社の中でも最大の落ち込みとなっています。

すでに自由化が始まっている法人向けの電力自由化による赤字も大きなものになっています。なんと、2014年の自由化部門ではその赤字額は179億円にものぼります。

2015年の4月からは、大幅な値上げに対する軽減措置も終了しましたので、電気料金は実質的に15.33%もの値上げが行われたことになります。

このように値上げが続いたことによって、2016年4月の全面的な電力自由化にともなって、北海道電力は大幅に契約数を減らすことになるのは確実視されています。

北海道電力にとって、今回の自由化は非常に厳しいものになると言えるでしょう。

自由化以降も北海道電力を選ぶメリットは?

大幅な値上げなどによって、北海道では新電力への期待が高まっています。

では、自由化後も北海道電力を選ぶことにはどんなメリットがあるのでしょうか?
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まず、最初に挙げられるは、今までと同じように電気を使用し、料金の支払いで可能である、という点でしょう。
新電力に切り替えるとなれば、さまざまな手続きが必要となります。また、選ぶ電力会社によっては、料金システムや支払方法がまったく異なっていることもあります。
そうなれば、今までと同じように電気を使用し、支払を行うことが難しくなってしまうかもしれません。

しかし、北海道電力であれば、今までのスタイルを変える必要がないのです。

また、北海道電力には長年にわたって積み上げてきた多くのノウハウがあります。これによって、災害や事故などのトラブルの際もスピーディに対処できます。実際のところ、これまで、自然災害などによって一時的に停電をすることはあっても、素早く復旧されてきました。電力は私達の生活を支えるとても大切なものですので、どんな状況でも安心して使用できる、という点はとても大きなメリットです。

20120128_2529617さらに、北海道電力では他社と比較してとても豊富なプランが用意されています。中でも注目すべきポイントとなるのが、寒さが厳しく、消費電力量がどうしても多くなってしまう冬季の電気料金を抑えるための「融雪電力用プラン」などが用意されているという点でしょう。

幅広いエリアで電力販売を行う新規参入企業の場合、このように地域の気候などに合わせたプランを用意するのは困難です。そのため、基本となる電力単価は安くても、年間を通して考えると、結果としてほとんど変わらないか、逆に割高になってしまう可能性もあるでしょう。

それだけでなく、時間帯によって電気料金が変動するプランも豊富に用意されていますので、生活スタイルに合わせてチョイスできます。

電力自由化によって、新規参入してくる企業も、もちろん多くの魅力的なプランを用意していますが、北海道電力を選ぶメリットも決して少なくはないのです。

北海道電力を選ぶことのデメリットは?

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メリットもある一方で、北海道電力を選ぶことにはデメリットだってあります。

まず、最初に挙げられるポイントは電気料金の単価がやや高い、という点でしょう。この数年で大幅な値上げが行われたこともあり、北海道電力の電気料金単価は高めになっています。
それに対して、新規参入企業は単価の低いプランなどを用意していますので、ベーシックな料金プランを使用する場合、北海道電力の料金は割高なものになってしまう可能性が高いです。

また、冒頭でもお話しました通り、北海道電力はとても厳しい状況に立たされています。電力自由化による契約者の減少は、そんな状況にさらなる追い打ちをかけることになるかもしれません。
こうして増えた赤字が電気料金に反映され、今後、さらなる値上げが実施されることも考えられます。

実際に海外では電力自由化による競争の激化によって、大手電力会社の赤字が膨らみ、最終的には電気料金の大幅値上げが必要となった、というケースもあります。

料金が値上げされるだけならまだ良い方で、経営が本格的な危機的状況に陥ってしまえば、大規模な停電などが発生してしまうこともあり得ます。日本とは自由化のシステムも状況も違ってはいますが、実際にアメリカではカリフォルニア州を中心に大規模な停電が発生しています。その原因の一つは市場での競争の激化によって、多くの企業が疲弊してしまったためである、と言われています。

エネシフト編集部エネシフト編集部

今回の電力自由化によって、どの企業を選んだとしても、かならずメリット・デメリットの両方があります。それぞれを頭に入れた上で、どこを選ぶべきなのかを考えるようにしましょう。

単に料金が安いから、サービスが良いから、という面だけでなく、使い勝手や電力供給の安定性、そして将来的な料金の変動といった面までチェックした上でもっとも自分に合った電力会社を選ぶようにすべきでしょう。