発電方法の種類や発電の仕組み

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現在、色々な点で注目されているのが電気です。しかし、発電方法の種類や発電の仕組みについては、あまり知られていないことが多いのが実情です。

そこで、日本で行われている発電方法について、その種類と発電の仕組み、発電の豆知識について書いていきたいと思います。

日本で現在使われている発電方法とは?

日本で現在使われている発電方法は、大きく分けると以下の4つになります。

・ 火力発電
・ 原子力発電
・ 水力発電
・ 再生可能エネルギー

現在の日本では、これら4つの方法の中から電力の需給状況に応じて、最適な方法で発電した上で、電力を各家庭や企業などに供給する、ベストミックス方式で運用されています。

ここからは、各発電方法の詳細とメリット・デメリットについて、まとめていきたいと思います。

火力発電

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火力発電は、東日本大震災以降の日本で、最も多く使われている発電方式です。

火力発電の原理は、昔よく線路を走っていた蒸気機関車と同じです。蒸気機関車は、ボイラーで燃やした石炭を使って、水を沸騰させることで、大量の蒸気が発生します。その蒸気を使って車輪を回転させることで発進します。

火力発電の方式は3種類あり、それぞれガスタービン発電、コンバインドサイクル発電、汽力発電になります。また、火力発電を行う際に使われる燃料は4種類、石炭、天然ガス(LNG)、石油、その他火力です。

ガスタービン発電では、前述した燃料を燃やしたガスによって、タービンを回して発電します。この方式は出力が高いのが特徴で、電力の需要がピークに達した時に使われるのが一般的です。

ガスタービン発電は、小型で高出力を得られるため、発電所の省スペース化に貢献する発電方式と言われています。ただ、近年では、このガスタービン発電の熱効率をさらに高めたコンバインドサイクル発電が増えてきています。

コンバインドサイクル発電とは、蒸気タービンとガスタービンを組み合わせた発電方法です。原理としては、まず圧縮された空気の中で燃料を燃やすことでガスを発生させます。その圧力を使ってガスタービンを回すことで発電を行い、その排ガスを使ってさらに水を沸騰させて蒸気タービン発電を行います。

コンバインドサイクル発電では、CO2の排出量を少なくした上で、通常の火力発電より多くの電気を作ることができます、構造は少し複雑ですが、発電機を簡単に起動・停止できるため、電力需要に応じて対応できる優れた発電方法です。

汽力発電は、蒸気の膨張力を利用して発電します。燃料を燃やすことで高温・高圧の蒸気を作り、蒸気タービンの羽根車を回して、発電します。

icon04火力発電は、化石燃料を大量に消費する発電方法のため、その大部分を輸入に頼っています。そのため、輸入価格の上昇が電気料金に反映されることになります。しかし、2011年の東日本大震災以降は、その出力の高さと送電の安定性により、日本の電力供給方法の主流となっています。

その他、火力発電ではCO2排出が問題となりがちですが、最近の発電装置は環境に配慮した構造となっています。

原子力発電

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原子力発電は、約50年前から行われている発電方式で、発電の段階ではCO2の排出がなく、安い発電コストで安定した電力供給が可能なところから、日本でも長年有力な発電方法として用いられてきました。

原子力発電所で使われる原子炉には、いくつかの種類があります。日本では世界で一番使われている種類の原子炉である、軽水炉が使われています。

原子力発電では、濃縮ウランを使って蒸気を発生させ、その熱で発電を行います。蒸気を発生させる方法によって、沸騰水型原子炉と加圧水型原子炉の2種類があり、どちらとも減速材として水を利用する点、核分裂の方法とも同じです。

原子力発電では、原子炉内で核分裂を起こすことで熱エネルギーを発生させ、その熱エネルギーを使って蒸気を発生させ、発電を行います。そのため、核分裂を継続的に発生させるための制限棒と、中性子の移動速度を落とすための減速材を使って、核分裂を制御しています。

icon04原子力発電は、その雇用等の経済効果の高さから設置され、長年日本国内における主力発電方法とされてきました。しかし、東日本大震災以後は、安全性を見直すために、一旦原子力発電所の操業を中止しています。そのため、2014年度からは原子力発電の割合が0となり、2016年現在は安全性の確認された原子力発電所から操業を再開する予定となっています。

その他、原子力発電には電力供給の安定性や出力の高さというメリットがあります。また、その技術は海外にも輸出することができるため、日本の技術立国化にも大きく貢献できるというメリットがあります。

しかし、使い終わった燃料は再処理を行うことで再利用できるとはいえ、その放射線の管理方法や放射性廃棄物の廃棄方法、東日本大震災における賠償金の巨額化が大きな問題となっています。

水力発電

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水力発電とは、自然の地形を利用して、山や河川に流れる水を利用した発電方法です。基本原理はとても単純で、水が高いところから低いところに落ちる際の高速・高圧な水の流れを利用して、水車を回して発電しています。

水力発電は、その発電方式から、以下の4つに分けられます。

・ 流れ込み式
・ 調整池式
・ 貯水池式
・ 揚水式

その他、構造物から分類することもできます。

・ 水路式
・ ダム式
・ ダム水路式

いずれも河川や山などの水を利用していることが特徴です。ただ、自然の地形を利用する方式ということもあって、その発電量を調節できないことが最大のデメリットです。

電気は、その性質上溜め込むことができないため、ベースライン電力として作られることはなく、昼間帯のピーク時などの短期電力として発電され、各家庭や企業などに供給されています。例えば、揚水式発電を行っているところでは、夜間帯に水を汲み上げて貯水しておき、電力供給の多くなる昼間帯にその水を使って発電しています。

ただ、日本ではすでに多くのダムがあることなどから、新規にダムを建設することが困難なこと、発電量のコントロールができないことから、短期的に使われることが多く、あまり発電割合としては大きくない発電方法です。

再生可能エネルギー

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再生可能エネルギーとは、太陽光、風力、地熱(バイナリー発電)、中水力、バイオマスといった自然環境にあり、再生可能なエネルギーから発電される電力のことをいいます。CO2排出量が少ないこと、環境に優しいことなどから、特に東日本大震災以後は、次世代エネルギーとして注目されている発電方法です。

特に、太陽光エネルギーは、一般家庭やアパート・マンションなどの集合住宅でも、太陽光パネルが設置されているところもあり、太陽光パネルから得たエネルギーを電力に変換して、発電を行います。

風力発電は、海に近いところなどに大きな風車を設置して、風を利用して風車を回転させ、電気を発生させる仕組みになっています。この風力発電は、現時点において再生可能エネルギーの中では、最も普及している発電方法です。

その他にも、地熱発電やバイオマスといった発電方法がありますが、これらの発電方法共通のデメリットとしてあげられるのが、発電量が不安定であるという点です。どの発電方法も、風量や太陽の照射など、自然条件に依存するため、それらがなければ、全く発電が見込めなくなります。

また、発電方法によっては、かえって環境負荷がかかってしまうこともあるため、そういった点も再生可能エネルギーの課題といえます。

日本の発電割合・今後の割合見通しとは?

認定NPO法人 環境エネルギー政策研究所が算出した推計によると、2014年のエネルギー発電量の割合は、下記のようになっています。

◎火力発電      87.3%

(内訳)
石炭        31.5%
天然ガス      42.3%
石油        9.1%
その他火力     4.4%

◎原子力発電     0.0%

 

◎水力発電      8.2%

 

◎再生可能エネルギー 4.4%

(内訳)
バイオマス     1.5%
風力        0.5%
地熱        0.2%
太陽光       2.2%

2011年に発生した東日本大震災以降、原子力発電所の操業が止まったため、2014年度の原子力発電は0.0%になってしまいました。その代わり、現在は天然ガスをはじめとした火力発電で、原子力発電の発電量を補っています。

今後、原子力発電がどのようになっていくかについては、経済産業省エネルギー庁や政府のエネルギー政策により変わってくるかと思います。しかし、現在では鹿児島県の川内原子力発電所が稼働再開したこともあり、現在稼働していない原子力発電所についても、安全性が確認され次第、順次稼働が再開されるものと思います。

それに伴い、発電割合にも変化が見られることと思います。日本は、エネルギー資源小国ということもあり、発電方法もベストミックス方式を取らざるを得ません。「原発即時廃止」を唱える人もいますが、再生可能エネルギーによる発電もその発電効率を考えると、まだまだ改善の余地があります。
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日本の資源事情などから考えても、原子力発電所の稼働再開が待ち望まれているといえます。

参考

統計データでみる日本の自然エネルギーの現状~電力編~
https://jref.or.jp/images/pdf/20150630/Hironao_Matsubara_ISEP_presentation.pdf