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2017年4月「ガス自由化」が開始されます。

今回のガス自由化は都市ガスが対象です。

 

電力自由化に続いて都市ガスの自由化、短期間にエネルギーの制度が大きく変動します。

なぜ、自由化が進むのか?

生活に密着することだからこそ、どう変化するのか非常に気になるものです。

 

ガスの自由化は、既に始まっていた

今回の自由化は都市ガス限定になります。

ガスの中でもプロパンガスは、以前から自由化がされていたのです。

 

都市ガスも工場・病院・製造業・大規模商業施設・ホテル等の一部が1995年から順次自由化されてきました。

 

都市ガスの販売量の63%が2007年までに自由化されていたのです。

そのため今回の自由化は一部企業にとって、非常に優位と言えるでしょう。

 

制限されていた都市ガス

都市ガスの利用は「地域のガス会社」と決まっていました。

 

ガス販売量の比率

関東地方 東京ガス   約37

東海地方 東邦ガス   約22

関西地方 大阪ガス   約10

九州北部 西部ガス   約 2

 

この4社が、会社規模・供給範囲において大手と扱われています。

準大手には、北海道ガス・仙台市ガス局・静岡ガス・広島ガス・日本ガスがあります。

これらのガス供給会社が都市ガス供給を独占していました。

 

ガスを安定して利用するために定められた「ガス事業法」によるものです。

この定義が都市ガス自由化によって大きく変わるのです。

 

ガス自由化が目指すメリット

自由化以前

現在の都市ガスは、国により料金が規制されていました。

料金の決め方は、ガスの製造と供給に必要な費用と、顧客が支払うガス料金が一定であるように定められていたのです。

 

ガス単価の値下げは勝手にできるものの値上げには必ず許可が必要だったため、独占事業の自由はありませんでした。

 

自由化が目指すもの

今までのガス会社以外にも選択が可能となります。

会社ごとに異なる料金やサービスを提供されるため、競争が期待できるのです。

 

これにより多彩な料金プランが生まれ、サービス向上へ繋げることが都市ガス自由化の1番の狙いです。

 

ガス自由化によるシステム改革の目的

・天然ガスを安定供給するための確保

ガス導管網の新規整備や相互接続により、災害時供給の強靱化を目指します。

 

天然ガスを安定的に供給する体制を整えます。

 

・利用プランの多様化、事業機会の拡大

他業種からの参入、都市ガス会社の他エリアへの事業拡大を目指します。

 

・天然ガス利用方法の拡大

都市ガスの利用範囲拡大・潜在ニーズを引き出すサービスの向上。

燃料電池、コージェネレーション等、新たな利用方法を提案できる企業の参入を促す。

 

ガス導管の整備

都市ガスを供給するためには、導管が必要となっています。

日本のガス導管は、国土の5.7%にすぎません。

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ガスシステム改革小委員会の上図の通り、ガス導管は都市部にのみ設置されています。

その都市部でも普及率は50%ほどなのです。

 

電線がないと送電できない電気と違い、ガスはボンベでも供給できるため普及が広まりませんでした。

 

また、自由化による都市間の連携強化への狙いもあります。

ガス導管は、隣接する営業エリアであってもつながってないのが現状なのです。

 

ガス自由化を前に、各企業同士がガス導管の接続に力を入れ始めました。

ガス導管の充実により、都市ガスを選択できる人が増え、災害時などのバックアップとしての効果が高まるのです。

 

デメリット

価格が安定しない

ガスには、削減が不可能なコストがあります。

ガス原料であるLNG(液化天然ガス)です。

この価格は、ガス会社に関係なく変動します。

先に自由化が行われた欧米では、ガスは国際的な燃料原価に連動するようになりました。

エネルギー価格が上昇するとき、ガス料金も大きく上がるようになったのです。

 

都市ガスを選べない地域

ガスの導管は、各ガス会社で設置されるためガス会社同士の接続がされていません。

都市ガスの導管のほとんどは大都市圏しか存在していないのです。

 

新規参入企業は、東京や大阪といった都市ガスがメインのエリアでの参入を表明しています。

 

大都市圏では、ガス会社を選ぶことができますが、地方では「選択できない」となりえるのです。

 

都市ガスの自由化は、地方の人達には余り関係のない話なのです。

これにより、地方と都市圏のガス料金格差の拡大が懸念されています。

 

大手企業の独占が進む可能性

90年代にエネルギーの自由化を行った欧米の国々では、結果としてエネルギー供給の独占が進みました。

 

日本では、そうした失敗例を踏まえて行われるため、なんらかの対策がされているかもしれません。

とはいえ、規模が極めて大きい企業が参入するため、独占の危険が否めないのも事実です。

 

安全性

都市ガス自由化で不安なのが、安全性の確保です。

近年は、都市ガスによる死亡件数は年に数件と減っています。

 

しかし、ガスは命の危険性に関わるため、消費者の安全確保が最も重要視されています。

これが自由化になることで、どう変化するのか?利用者にとって一番大切な事でしょう。

 

ガス自由化後、保安部分は一般ガス導管事業者が行うとされていますが、消費者が万が一の時を確認しておくと言う姿勢は大切です。

 

ガス自由化で参入する予定業種

ガス自由化による参入企業は通信・鉄道・石油・商社・電気などの大手企業が想定されます。

特に大手電力会社は、電気の発電事業のためLNG基地(液化天然ガス基地)を所有しているため、参入しやすいのです。

 

また、電力やガス会社のLNG基地が第3者に開放されます。

これにより、ガス原料の輸入に関わる商社等も、基地や導管を借りる事でガス市場に参入できるようになりました。

 

ガス自由化に関わる制度変更により、参入する業種も数も変化していきそうです。

 

各電力大手のガス事業参入

ガス自由化に参入確実なのは、地域電力会社の東京電力・中部電力・関西電力・四国電力・九州電力です。

 

電力自由化の際に、セットプランを提供したガス会社。

 

ガス自由化で、電力会社は逆転できるのでしょうか?

電力会社がガスを販売することにどのようなメリットがあるのでしょうか?

 

東京電力

東京電力のガス原料輸入量は、日本第1位の量を誇っています。

大量に仕入れを行っている東京電力は、日本で1番格安でガス原料を仕入れていると言えるでしょう。

 

東京ガスは、既に日本ガスをはじめとする地方ガス会社にガスを販売しています。

東京ガスは準備万全の状態でガス自由化を迎える事ができるのです。

 

東京電力とガス販売

・直接販売 ガス導管を利用し顧客へ直接販売

・託送販売 都市ガス会社へガスを販売

・タンクローリーでの輸送販売 ガス導管のない地域に輸送販売

・日本瓦斯(ニチガス)との提携

 

東京電力はニチガスと提携することで、お互いの顧客にガス・電気のセットプランを提供。

さらなる料金メリットを目指しています。

 

関西電力

関西電力のガス原料輸入は国内4位です。

関西電力でのガス輸入量は大阪ガスよりも多いのです。

 

そのため東京電力同様、安い価格設定でガス提供を行えます。

 

関西電力とガス販売

・ガスを多く利用する大家族向けに格安プランの準備

・電気とガスのセットプランを提供し幅広いサービス展開を目指す

・関西以外への進出

 

中部電力

中部電力のガス販売は、東京電力・東京ガスに次いで3位です。

中部電力はガスが安価で仕入れる事ができるものの、提供価格は未定です。

その理由は東邦ガスへのガス導管使用料が決定されていないためなのです。

 

東邦ガスは、電力参入の際に電力の調達を中部電力に頼ってはいません。

そのため東邦ガスは中部電力の手ごわいライバルとなるのです。

 

中部電力とガス販売

・ガスと電力のセット割引を主力に実地

・販売方法は、ガス導管とタンクローリーでの輸送販売

・愛知・岐阜・三重のみでなく、供給エリアを長野・静岡まで拡大

 

四国電力

四国電力は、都市ガス参入により四国最大手のガス企業となります。

しかし、ガス導管整備は四国では余り普及していません。

ガス導管の設備は今後の大きな課題となるのです。

 

四国電力による都市ガスが安定供給されれば、コスト低下により割安なガス・電力のセット販売が可能となるでしょう。

しかし、四国電力には四国内でライバルがいないため、独占事業になる危険性が予測されます。

 

四国電力とガス販売

・一般家庭への都市ガス小売り参入

・電力・ガスのセット割引を主流に販売予定

 

九州電力

九州電力は、九州で主流となっている西部ガスの4倍のガス輸入量を誇ります。

関東圏・関西圏の大手電力・ガス事業よりも少ないですが九州だけでいえば、1位の輸入量なのです。

九州電力は、西部ガスの導管を使いガス自由化に参入します。

 

九州電力とガス販売

・西部ガスの供給範囲である福岡県内を中心に業務展開

・サービスの充実を目指す

 

まとめ

ガス原料を大量に輸入し格安で提供できる電力大手が参入することで、ガス事業は大きな変化を遂げるはずです。

電力大手が、一般家庭向けの都市ガス事業に参入することで、価格とサービスの満足度向上を盛り上げ、ガス導管設備の領域拡大速度が進むでしょう。

 

これによって、都市ガスとプロパンガスの価格差が問題視され、プロパンガスの価格適正化も行われるのではないかと期待できるのです。

 

 

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