a5ae6b6427dc5466b522dffab325414c_sヨーロッパでも有数のエネルギー消費国でありながら、同時に、電力の輸出国でしても知られているのがフランスです。
自国でも多くの電力を消費するにもかかわらず、さらに大量の電力を輸出している、となれば資源がとても豊富な国なのでは?と思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、フランスは決して化石燃料資源が豊富な国ではありません。

では、どうして、フランスは多くの電力を生み出すことができるのでしょう?

ここではフランスの電力事情についてお話すると同時に、日本の見習うべき点などについても考えてみます。

資源の乏しいフランスが選んだエネルギー源とは?

フランスには、国内の化石燃料資源などがとても少ないことから、そのほとんどを国外からの輸入に頼っていました。
しかし、1970年代に第一次石油危機が起こります。これを契機として本格的な電力生産をスタートさせます。
フランスが当時選んだのは、発電に資源の必要な原子力発電でした。

1970年代から本格的に原子力開発が行われたフランスでは、国内の総発電量の80%ほどを原子力が占めています。
もちろん、これからも原子力を電力源として使用し続ける姿勢のフランスでは、現在も新たな設備が建設され続けています。

その結果として、資源が乏しい国でありながら、フランスは多くの電力を生み出せる国となりました。

icon04ヨーロッパでは各国の国境をまたいだ送電網がありますので、これを輸入して電力を輸出しており、今や電力はフランスにとって貴重な貿易資源にもなっています。

再生可能エネルギーの利用にも力を注ぐ

フランスが力を入れているのは原子力発電だけではありません。再生可能エネルギーの利用にも積極的です。
フランスでの再生可能エネルギーの占める割合は高く、2012年の段階で、視力、太陽光、風力などを合計すると、フランスの総発電設備の30%にも達しています。

さらに、2009年にフランスでは2020年までに最終エネルギー消費量のうち、23%を再生可能エネルギーでまかなうことを決定しています。

この目標を達成するために、同年に制定された「環境グルネル実施計画法」では、2020年までに再生可能エネルギー生産量を石油換算で2000万トンから、3700万トンにまで引き上げる、という規定を盛り込んでいます。
100806_image_eco
さらに、最終的な目標としては2030年までに再生可能エネルギーの占める割合を30~40%にまで引き上げることも国内では提案されています。

こういった動きから、再生可能エネルギーへの開発支援として、多くの国で導入されている固定価格買取制度が採用されています。

これによって太陽光、風力、水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーによって発電された電力を高値で売却できるようになりました。そのため、再生可能エネルギー施設の開発がさまざまな企業などによって進められるようになりました。

pointこれと同時に、フランスは電源入札制度も導入しています。これは計画されている再生可能エネルギー電源別の発電量に満たない場合、政府が電力を購入するための入札を行う、という制度になっています。
この制度の導入によって、さらに再生可能エネルギーを高値で売却しやすくなりました。

このような制度・システムによって、フランスでは順調に再生可能エネルギーの生産量が増加し続けています。
今や、フランスは原子力のみでなく、再生可能エネルギーの利用においても先進国となりました。

フランスの電力自由化はどんなもの?

img_06
2000年にフランスでは「電力自由化法」が制定されました。この自由化は段階的に実施されており、1999年から、徐々に市場が開放されはじめ、最終的に全面自由化が実施されたのは2007年7月です。

フランスの電力自由化は、スペインのものと似ており、すでに全面自由化が実施されていものの、その権利を行使していない消費者も少なくありません。こういった消費者には、政府によって認可された「規制料金」が適用されます。

自由化の権利を行使した消費者は、市場価格の変動などが反映された「市場料金」が適用されています。

point2005年の段階では、一度自由化の権利を行使してしまうと、もう規制料金に戻ることができない、と指定されていたものの、2007年7月以降に自由化の対象となった一般家庭については、一度自由化の権利を行使したとしても、規制料金に戻れるようになっています。

では、気になる電気料金はどうなったのでしょう?
フランスの電気料金は2000年頃からずっと横ばいの状態が続いていましたが、2002年以降から、若干上昇しています。

しかし、フランスは原子力発電の比率が非常に高く、他のヨーロッパ諸国と比較すると燃料費高騰などの影響をあまり受けることがありませんでしたので、基本的には電気料金は安定しています。

フランスの電力事情から日本が学ぶべきこと

lgf01a201305150600
これまでお話してきた通り、フランスでは再生可能エネルギーの推進においても、電力自由化においても、ある程度の成果を挙げています。

その理由にはさまざまなものがありますが、まず、資源が少ないにもかかわらず、国内のエネルギー量が非常に安定している、という点が挙げられます。
そのため、日本でも、再生可能エネルギー推進や、2016年4月からスタートする電力の全面自由化を成功させるためには、生産エネルギー量と、消費エネルギー量のバランスを整え、安定させることが重要です。

エネシフト編集部エネシフト編集部

日本はフランスと同様に化石燃料資源が乏しく、さらに現在以上に原子力に頼ることが困難な状況にあります。

そこで、生産エネルギー量を安定させるためのカギは、再生可能エネルギーにかかっています。
それと同時に、私たち消費者も電気の使い方を考え、省エネに対する意識を持つようにすべきです。