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2016年電力自由化が開始され、来年度にはガス自由化も始まろうとしています。

エネルギー業界に様々な変革が訪れる中、政府はさらに環境問題と災害対策としてあらたな改革を提言しています。

 

政府は、2030年に向けてエネルギーミックス(電源構成)の候補としてコージェネレーションをあげました。

 

東日本大震災で、従来の火力・原子力を中心とする電源構成は災害に弱いと明らかになったからです。

小規模電源を分散して配置し安定したエネルギー供給を目指すために、注目されたのがコージェネレーションなのです。

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政府は、国内の総発電量のうち15%をコージェネレーションでの供給を目標としたのです。

 

政府は2030年までにコージェネレーションの普及を掲げ、企業から個人まで幅広く助成金を定めたのです。

政府が推進するコージェネレーションとはどのようなものなのでしょう?

コージェネレーションとは

「熱」と「電力」を同時生産する設備のことです。

「熱」を生み出す燃焼機関は、電力を生み出せる可能性を持っています。

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「電気」を生み出す燃焼機関は、熱を放出しています。

この働きを互いに再利用することで、エネルギー資源を最大限に活用することを言います。

 

一般的な発電・熱供給システムでは、利用されない熱は外気に放出します。

発電の際に利用できるエネルギーは、発電量の40%程度

 

熱供給の際に利用するエネルギーも、発熱量の40%程度のエネルギー効率なのです。

これを「発電+排熱」「熱供給+発電」を行う事で、エネルギー効率が70~85%まで向上するのです。

 

コージェネレーションシステム

コージェネレーションの働きを利用したシステムを言います。

ガス等を駆動原理とした発電機で電力を生み出しつつ、排熱を給湯や冷暖房に利用するシステムです。

 

電力会社では軽油や重油を燃料としたコージェネレーションを利用。

建築設備用としては、天然ガスを熱源とするガスコージェネレーションが幅広く普及しています。

 

コージェネレーションのメリット

契約電力の削減

発電と排熱利用を同時に行うことで、エネルギーの節約になります。

放出するだけの熱エネルギーを、暖房器具や浴槽などに供給することで、熱エネルギーとして有効活用できます。

 

それにより、本来放出されるはずだった「CO2」「NOx」「SOx」を低減し環境性の向上を図ることができるのです。

 

ガス料金の削減

定常的に天然ガスを使用できる設備を導入するため、ガス会社から、安価な契約メニューの提供が可能です。

 

コージェネレーションと一緒に、厨房機器、ガスヒートポンプ空調機を同時に導入することで、総合的なランニングコストを抑えられます。

 

非常時の電力確保

コージェネレーションシステムは「電力」と「熱」を一体化した設備です。

停電時には非常用電源としての利用が可能です。

 

近年では、事業継続計画(BCP)として、非常時に利用できる電力確保が要求されています。

 

日常的には、電力と熱を供給し、非常時の備えとしてコージェネレーションシステムを導入する企業も増加しています。

 

コージェネレーションのデメリット

 

発電機のコストが高額

・発電機の設置費用

・伝熱プレートを内蔵した熱交換器費用

等の設備コストがかかります。

 

そのためガス会社は、5~35kwほどの小型のシステムを販売しています。

排熱を貯湯タンクに供給し、給湯に利用できるシステムとなっています。

 

製品によっては、ガス空調設備と連携し、熱を暖房とし利用するシステムで対応します。

導入によりガス料金の優遇を得るため、ガスを多く消費する事業者の採用が多いです。

 

消防法など関連法規に準拠

火災予防条例において「固定されている内燃機関による発電機」を設置する場合

「電気設備設置届」と呼ばれる届出を消防へ提出する義務が発生します。

 

 

 

家庭用のコージェネレーション

メリット

・補助金制度が利用できます

・節電によって電気料金の節約

・自宅で発電するため送電ロスが少ない

・ガス会社によっては、専用の優待ガス料金を設定

 

デメリット

・貯湯タンクが必要

・一部製品を除き、停電時には発電が不可能

・高額な初期投資が必要となる

 

 

エネファーム

家庭用燃料電池コージェネレーションシステムです。

都市ガス・LPガスから水素を取り出し、空気中の酸素と反応させる発電システムです。

 

発電した電力は、家庭用として利用することで節電が可能です。

発電と同時に発生する熱を利用し、お風呂や床暖房などに活用できます。

 

価格は工事費込み200万円前後です。

 

エコウィル

家庭用コージェネレーションシステムです。

エネファームと同様に、原料は都市ガスやLPガスです。

 

発電と給湯に利用可能です。

エコウィルはガスエンジンを用いて発電を行います。

 

大家族や、たくさんお湯を使う家庭でのメリットが大きいです。

価格は工事費込み110万円前後です。

 

コレモ(北海道でのみ販売されています。)

家庭用のガス発電システムです。

ガス給湯器とセットになった「エコジョーズ+コレモ」という商品も販売されています。

こちらは家庭用コージェネレーションシステムとなっています。

 

都市ガスやLPガスを燃料としたガスエンジンによって発電を行います。

その際に発生した熱をエコジョーズに送り給湯を行う仕組みです。

 

価格は工事費込み100万円前後です。

 

身近なコージェネレーション

 

2020年東京五輪

メイン会場となる新国立競技場(新宿区)、中央区晴海に建設する選手村に燃料電池や燃焼装置を設置。

 

施設内の照明や冷暖房などに使う電力、温水を供給する。

一つの装置で電力と熱を供給する燃料電池コージェネレーションも導入する計画だ。

 

ホンダ 電気自動車やコージェネを駆使し「災害でも快適な家」を公開

ホンダの技術使用で、家庭用ガスエンジンコージェネレーションユニットが、同コンセプトホームに導入。

 

家庭向け熱電併給システム「エコウィルプラス」のコアユニットとして利用されています。

このシステムを“住まいの消費エネルギーゼロ”の住宅として、燃料であるガスとともに提供。

 

東京ガスは未来志向のまちづくりのとして、コージェネレーションシステム試験採用

東京ガスは「豊洲グリーン・エコアイランド構想」に基づき地区の魅力・価値向上の開発を進めています。

 

ガスエンジンコージェネレーションシステム1台の導入により発電した電力を豊洲市場へ供給。

 

排熱を同区域の熱供給に有効活用するとともに、同社施設では初となるガス圧力差発電を導入し、停電の状態でも、熱と電気の供給継続を可能とした防災性の向上の実現を目指しています

 

ZEエナジーでは、国内初のFIT対応型コージェネレーション開始

長野県飯田市かぶちゃん村森の発電所では、木質バイオマス産業化を促進しています。

周辺地域の山間部から間伐された木材のみを燃料としたガスエンジンによるガス化発電装置を利用します。

 

排熱は間伐材チップの乾燥といちごハウス栽培に利用。

国内初のFIT(固定価格買取制度)対応型コージェネレーション小型発電システムです。

 

180kwから2000kwサイズの発電所を提携企業と共同で全国に展開していく予定

 

トヨタ、工場内ビルのゼロエミ目指す

トヨタ自動車は愛知県豊田市の本社工場に太陽光発電と「プリウス」に利用していたニッケル水素電池を再利用。

 

工場CO2ゼロチャレンジを目指し、純水素型燃料電池コージェネレーション(熱電併給)システムを導入。

 

下水処理場で生まれる未活用のバイオガスを有効利用

汚泥の処理過程で発生する消化ガス(バイオガス)の約3割は活用されていません。

 

ヤンマーエネルギーシステム(大阪市北区)はバイオガスを燃料とする小型コージェネレーション(熱電併給)システムの導入を促進。

 

未活用エネルギーの有効活用に乗り出す。

 

このように様々な場所で、コージェネレーションシステムの開発・導入が進められているのです。

現在コージェネレーションは知名度の低さが問題となっていますが、大手企業が開発・試験・活用を行うとともに解決していくでしょう。

 

 

コージェネレーションシステムの未来

かつて太陽光発電に国・地方自治体から補助金が算出されていました。

現在はコージェネレーションシステムが、国・地方自治体からの補助金支援を受けることができます。

 

コージェネレーションシステムの家庭導入は、まだまだ一般的とは言えません。

しかし、日本近海のメタンハイドレートの研究が進み利用が本格化すれば、原料となるエネルギーが安価となります。

 

それにともない発電・給湯・暖房が1台で行える「家庭用燃料電池コージェネレーション」の普及は大きく躍進を遂げることでしょう。